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とりあえず山は昇った

創作日記

 やっとこれまでずっと推敲していた短篇30作がぜんぶしあがった。あと、一作初めて私小説を書いてみたんだけれど、西村賢太さんみたいに上手くは書けないね。当たり前だけれど。これは全部で四編にして連作にするつもり。もう一回書き直さないとダメっぽい。あと、先月からは、新しい長編を書いていて、一章分と二章分の80枚(400字詰め原稿用紙換算枚数)は書いた。とりあえずひとつの山は昇ったかな、という気がする。

 前にも書いたけれど、ぼくには目標があって、1つは文学に留まらず、美術、映画、音楽、出来る限りのものを内部にインプットするということと、2つめは短篇を書くということ、3つめは長編小説を書く、ということで、今はこれに取り組んでいる、ということになる。4つ目が、傑作、と呼べるものを書くということです。これが今後の目標なんだけれども。

 傑作、といっても、十人十色だろうけれど。まあ、でも、ぼくには決定的にあるわけ。

 あと、10年やればできるかな。できないかもしれない。とにかくその最後の箇所をやり遂げれば、ぼくの人生はもう終わりです。特に後悔はないです。やり残したことはいっぱいあるけれども、いっていたらきりがないしね。べつにドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』や、カフカの『城』のような作品を書こうとか、大それたことを思ってるわけじゃないし。現代文学における傑作を書けたらいい。最初は短篇をちょこちょこ書けていけたらいいかな、と思って小説ははじめたんですけど、書いているうちに欲が出てきた。例を挙げると、ラインナップはこんな感じ。個人的ベストを書いておこう。ほぼ年代順かな。ぜんぶ現代文学の傑作。

1 『思い出トランプ』 向田邦子

2 『コインロッカー・ベイビーズ』 村上龍

3 『青が散る』 宮本輝

4 『生ける屍の死』 山口雅也

5 『葦と百合』 奥泉光

6 『流しのしたの骨』 江國香織

7 『ねじまき鳥クロニクル』 村上春樹

8 『鹽壺の匙』 車谷長吉

9 『OUT』 桐野夏生

10 『永遠の出口』 森絵都

11 『白夜行』 東野圭吾

12 『夕子ちゃんの近道』 長嶋有

13 『悪人』 吉田修一

14 『檸檬のころ』 豊島ミホ

15 『八日目の蝉』 角田光代

16 『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』 リリー・フランキー

17 『掏摸』 中村文則

18 『ヤマイダレの歌』 西村賢太

 本当は20冊にまとめたかったんだけれど、迷って決められないなあ。作品もべつのに入れ変えてもいい。あと、もし入れるとしたら、梨木香歩いしいしんじ重松清山田詠美、辺りかな。ぼくは重松さん辺りがギリで、高村薫さんとか、石田衣良さんとか、伊坂幸太郎さんとか、西加奈子さんとかになると、小説が優れているのはわかるんだけれども、物足りないんですよね。そういう意味じゃ、重松さんも、物足りないかな。少なくとも上に記した18人の作家は「文学」を書いている。重要なのは、ただそれだけじゃなく、そこにしっかり一般読者に波及効果のある、バルザック的な意味での「通俗性」があるということなんです。ぼくは小説というのは、あくまで「通俗的」なものであると思っていて、それを失ったら小説は終わると思っている。そういう意味では「純文学」なるものがでっちあげられた「昭和」という時代に入って、ぼくの中ではもう小説は終わっている。(とにかく、このことをぼくは小説に書いているわけ)単に娯楽であったのなら、単に権威的で身内的なものであったなら、興味ない。それなら女の子と遊んでるほうが楽しいもの笑

 今月編集者に渡した原稿の返事は、早くても来月、遅かったら年が明ける可能性は大いにあるので、それ次第。本が出せたらいいけども……。ダメだったら、まあ、しょうがないね。また、そのとき考える。

 身辺事情も最近ごたごたしてきた。ぼくに残されている時間も、もうあと残り少ない。やるだけのことをやるしかない。